AIは人間を超えるのか?

AI
前回の記事でAIとは何なのか、部分を解説して行きました。
まだ読んでいない方は上のリンクをぜひご覧ください。

さて今回は、前回の続編ということで
AIが今後発展していったらどうなるのかについて、
「AIが人の仕事を奪っていく」とか「AIが人間を支配するようになる」
など何だか怖い未来を予想している方もいるかもしれませんが
実際どうなのかを解説してきます。

シンギュラリティは起こらない!?

AIブームの中で、シンギュラリティという単語を耳にしたことはありませんか?
都市伝説系の番組なんかではよく取り上げられていますね。

シンギュラリティとは…
Singularity:非凡、特異な という意味の英単語です。

ただAI用語でのシンギュラリティとは、端的に言えば
【AIが人を超える日】のことです。

もう少し定義を具体的にすると

AI自身が人の手を一切借りずに、自身よりもさらに
優秀なAIを作り出せるようになること

ということになります。

そうなれば、
AIはより優秀なAIを、より優秀なAIはさらに優秀なAIを…
という感じで、爆発的な成長を遂げ
人間の知能を遥かに上回ることになります。

何だかとてつもなく恐ろしい感じがしますよね。

ゆくゆくは、
AIと人間の戦争の末に、AIが人間を育て、管理する…
まさに『MATRIX』の世界が現実になるかもしれません。

マトリックス
created by Rinker

ちなみにMATRIXはSF映画の傑作ですので
気になる方はぜひ見てみてください。

ロマンと恐怖のカタマリ、それがAI
と考えている方もいるかもしれません。

しかし残念ながら、現在のAI技術を進歩させても
そのような可能性は限りなく低い
とされています。

前回の記事でも書きましたが、AIとAI技術には明確な違いがあります。

・AI = 人工的に生み出された人間と同等レベルの知能

・AI技術 = AIを生み出すために考えられた様々な技術

今の論理や統計といった数字をもとにしたAI技術の延長線上にあるものと
人間の知性は大きく異なるものだからです。

なので、現在の技術の粋を集めて作られたスーパーコンピュータや
今さかんに研究されている量子コンピュータを使ったとしても
計算スピードが上がるだけで、人間の知性になることはできません。

AIの得意と苦手

じゃあ今のAIに何ができて、何が苦手なのか
学校で習う教科に当てはめて整理してみます。

【得意教科】

数学
これは言うまでもなありませんね。
数字と論理で成り立っているものはお手の物です。
正直、現時点ですでに人間より遥かに速いスピードで
問題を解くことができます。

歴史
記憶することもとても得意です。
また世界史や日本史で問われるような問題の
文章パターンは限られているので
言葉の解析方法を身につけてばかなり高い正答率を出すことができます。

【苦手教科】

英語、国語
もちろん、単語それぞれの意味を記憶することは出来ます。
ただし文脈を読むことは不可能なのです。

たとえば、
「暑い日☀️→冷たい水が飲みたい🥵」
といった、人間が無意識で考えている常識・因果は
AIは全く理解することができません。

どんなに優秀でも、今のAIはとどのつまり
四則演算しかできません
人間の質問にも持っているデータを使用して、
何とか四則演算の式に当てはめることで
近い回答を導き出しているのです。

なので、式で表しようのない感情・気持ちは理解できないし
完璧な文法でおこなわれない日常会話も
スムーズに処理することはできません。

それでもAIは人の仕事を奪う

さて、今までの話を読んできて

AIが人にとって代わられて、仕事がなくなるなんて言われているけど
これなら、当分の間は安心だね!

なんて思った方、いませんか?笑
実はそれでも間違いです。

やはりAIの得意分野では、人間に勝ち目はないため
確実になくなる仕事が出てきます。

じゃあAIが苦手な分野の仕事があるじゃん!
って話なんですが、少しドキッとすることをいうと
果たしてそれができる人間が今どれくらいいるのでしょうか。

ここで、AI時代にも残る仕事というのを紹介します。

10〜20年後までに残る職業トップ25

1レクリエーション療法士
2整備・設置・修理の第一線監督者
3危機管理責任者
4メンタルヘルス・薬物関連ソーシャルワーカー
5聴覚訓練士
6作業療法士
7義肢装具士
8医療ソーシャルワーカー
9口腔外科医
10消防・防災の第一線監督者
11栄養士
12宿泊施設の支配人
13振付師
14セールスエンジニア
15内科医・外科医
16教育コーディネーター
17心理学者
18警察・刑事の第一線監督者
19歯科医
20小学校教師(特別支援教育を除く)
21医学者(疫学者を除く)
22小中学校の教育管理者
23足病医
24臨床心理士・カウンセラー・スクールカウンセラー        
25メンタルヘルスカウンセラー
【出典】松尾豊 『人工知能は人間を超えるのか』(角川EPUB選書)

どうでしょうか?転職できそうな仕事は見つかりましたか?

これらに共通するスキルは
高度で柔軟な判断力・理解力・コミュニケーション能力です。

このスキルを自信を持って身につけているという人、
実はそんなに多くないんじゃないでしょうか。

実際、僕自身もあまり自信はありません。

近年日本人の読解力が低下している、なんて言われていますが
実は日本だけでなく世界中でそのような状態になりつつあるようです。

AIは、1を聞いて10を知れる人間とは異なり、
1万を聞いてようやく1知れるのかもしれません。

でもAIは10万を聞くことができます。

それも人間では追いつけないスピードで。

AIを始めとする科学技術が指数関数的に発展している現在だからこそ
文章や物事を理解する力やコミュニケーション能力が人間には求められているようです。

まとめ

  • AIが人を超える日「シンギュラリティ」は今のAI技術では起こらなそう
  • 理由はAIが結局計算しか行えず、意味内容を理解できるわけではないから
  • それでもAIが人間の仕事の代わりをすることは十分可能
  • 人間がAIに仕事を奪われないためには日々理解力やコミュ力を鍛える必要がある。

参考文献・おすすめ図書

人工知能は人間を超えるのか
created by Rinker
AI vs. 教科書が読めない子供たち
created by Rinker

コメント

タイトルとURLをコピーしました